足元から赤黒い煙が溢れ出る。
意識がないゾンビかのように、俯いて足を引きずって歩く。
後ろで見ていたシールドが唖然としている。
「なんだ、あのバックル... (; ・`ω・´)」

「お、っおい銀鳥?どうした?」
銀鳥が向かった先にカイルがおり、声をかけてくる。
「おい、聞いてるのか?なんだそのバックルは?」
銀鳥は答えず歩き続ける。
ヌマーもどきが湧き始めると、白線の外に踏み込んだ。
バン!と爆発するが、ダメージを負っていないのか進み続ける。
少しでも進む度、アスファルトが爆発し砂煙が上がる。
「銀鳥...?」
カイルが不安そうに銀鳥を見る。
ヌマーもどきの頭を掴み蹴り崩し、何体も何台も倒していく。
「ッ、バケモンかよ」
後ろで見ていたはくがが舌打ちする。
「いや、バケモンはお前だろ」
「それもそうだなw」

『マミニヘウモ!ソラセハヒ!ハハタセ!ハハタセ!カハニキラロウモン!』
るりヌマーが慌てた声で騒ぐ。
「うるさい...!」
銀鳥がそう呟くとるりヌマーの首を掴んだ。
蛇の尾の部分となるバックルの持ち手を掴み3度引っ張る。

slaughter
bell strike

腕から赤黒い煙が出て、腕を振り上げそのままの勢いで腹を殴った。
ヌマーの腹を貫通した腕。
すぐに引き抜くと数歩離れた。
『ソラセハヒ!マミキニヘウモ!カハニキラロエホシッハバウ!ヅァァ!』
何を言っているがわからないが、ヌマーもどきに怒っているのは分かった。
爆発と共にとんでもない爆風が全員を襲う。

白線が消えて、ゲームが終わった。
ジュー、と焦げるような音を鳴らしながらバックルが溶けて消えると、変身が解除されアスファルトに倒れる銀鳥。
顔も腕も火傷を負っている。
「おい!銀鳥!しっかりしろ!!」
カイルの必死な声を聞いて、立ち上がらないとと思ったが意識が遠のいて。


「っ...?....ここは、サロン...?」
「やっと起きた?(; ・`ω・´)」
ベッドの横の椅子に座り自らの額の手当てをしていたしーるどに気づき起き上がる。
「う、痛え...」
「まだ寝てて、次のゲームはまだ先だよ(; ・`ω・´)」
「うん、分かった。ところで、カイルとか雷夢は?」
「向こうの部屋で各自手当てしてるよ(; ・`ω・´)」
「そっか、ありがとうしーるど」
「ラスボスまでは、仲間だからね(; ・`ω・´)」

そう言えば、バックルが降ってくる時の声は、誰のものだったのだろう。
自分のサポーターなら、直接会いにきて渡すだろうし、あれは男の声だった。
このゲームの、運営の誰かだろうか。
違和感のある喋り方だったな、と。

もう一眠りして家に帰ると、親や兄弟に怪我を心配されたがなんともないと誤魔化し自分の部屋に入る。
「なんか久しぶりな気分だな*」
ふと、思い出した。
自分の意識が乗っ取られて動いているような、あのバックルを使った変身時の感覚。
自分が自分では無くなってしまいそうな、物凄く嫌な感覚がした。
「もう、あのバックルは貰っても使わないようにしよ...」
ゲームでもするか、と呟きゲーム機を取り出して。
オンライン対戦しようぜ、と友達にメッセージを送った。



長くしたい

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