『魔法少女ホロウィッチ!』第22話
68
王・姫には、よくも悪くも特に変化はなく。
悪化したり命の危険がなさそうなのはいいことですが、回復の兆しも一切ない様子。
「シェアリンポーションでしたか? 眠りの呪いを解く薬、あとどのくらいで?」
回復薬の進捗を尋ねるみこの次男。
突っついたからといって早くなるものではないと分かっている感じですが、聞かずにもいられないのでしょう。
「ホロウィッチのみんなが一生懸命シェアリンハートを集めてくれています」
「でも、まだまだ量が足りません」
視聴者的には器の残りはあとちょっとに見えるのですが、まだまだ足りないと言う晴れる道さん。
当然晴れる道さんしか分からない話ではあるので、晴れる道さんがそう言うならそうなのでしょう。
そんなことを話していると、通話にみこの妹が乱入。
どうやら次男を押しのけてでも、どうしてもソラに伝えたいことがあるようです。
それは行方不明となっているさくら神社神主の目撃情報。
あの恰好で、夜な夜な街を徘徊する不審者となっているようです。
翌日、みんなとお買い物に出かけるみこ。
ある種の、日常的幸せの絶頂ともいえます。
その帰り……なんと街中で、神主を発見してしまいます。
隊長がこちらの世界にいるはずもないのですが、この神主に関してみこがそんな冷静でいられるわけもなく。
取るものも取り敢えず、ひとりで、神主を追いかけて走ります。
歩いている神主に対し、あのみこが走っても走っても追いつけません。
それでいて、決して見失うこともなく、どこかへと誘導されていきます。
そして到着したのは、どこかの工事現場。
そこで止まった神主はおもむろに魔球を繰り出し……みこに襲いかかります!
しかし寸前で停止し、黒い霧となって文字どおり霧散。
そして一連の黒幕、伊沢が姿を現します。
「手品さ。ユメオチ・パワーでちょいちょいっと作った幻だよ。本物だったら今ごろ、君は真っ二つだったよ?」
「どうして? なんでこんな意地悪するんですか! 何が楽しいんですか!?」
「憎い……この胸が憎しみで張り裂けそうだ」
「強くて優しいこの俺様に、こんなにもドス黒い憎しみを植え付けた責任……きっちり取ってもらうぞ!」
すると、みこの足もとからコラプサーが出現。
どうやら今回は予め用意していて、この場所で待ち構えていたようです。
当然、みこも変身して応戦。
今回のコラプサーは魔術タイプで、神主のようなステッキを用いて戦うようです。
起き上がったコラプサーはみこに背を向け、先程のステッキに続いて帽子を生成。
その出で立ちは……ほかの誰が忘れたとしてもみこだけは絶対に忘れない、
あの人のもの。
「まさか……」
「そう! そのまさかだよ。君の大切な神社の神主をユメオチさせたんだ!」
何たる外道……よりにもよって、神主のコラプサーを生み出していたのでした。
そして、伊沢はさら口撃を続けます。
「君、酷いことするよね。コラプサーへの攻撃は全部、神主へのダメージになるっていうのに」
「コラプサー……いや、神主プサー、行け!」
ダメージフィードバック機能もついているようです。
そういえば、これまで大切なものがコラプサーにされたことはありましたが、基本的に痛みを感じないタイプの素体でしたね……。
でもまあ、これならみこが実行できるかどうかは別として、いつもの戦闘・浄化で神主を救い出すことは可能なように見えます。
少なくとも、神主が話せる状況であるなら、間違いなくそうしろと言うはず。
神主プサーのネーミングも最悪。
ダサい上に使い勝手も悪く、まさにみこに浴びせるためだけに作ったような言葉です。
この伊沢の最終秘策は効果覿面。
一気に戦えなくなってしまったみこは、あっという間にボロボロに。
そしてコラプサーがトドメを刺すべく雷球を貯めようとした瞬間、愛環2000系G11編成+G12編成が駆けつけます。
増援で車内は混雑していました。
おそらく様子のおかしいみこを追っていたものの途中で見失い(そういう誘導)、探していたのでしょう。
みことしては、なんとか九死に一生です。
それでも攻撃を再開しようとするコラプサー。
そこにかなたが飛び込み、倒れるみこをなんとか救出します。
「ふたつの色をひとつに! イエロー! ブルー! 癒やしの力、アゲてこ!」
癒やしの力とはつまり回復のようで、直接的にみこの傷が癒えます。
意識を取り戻したみこ。
マリンが大きな砲撃を貯めてスキをうかがっているのを見て、慌てて割って入ります。
「撃たないで!」
「えっ!?」
「神主なの! あれは……さくら神社の神主なの!!」
涙ながらに訴えるみこ。
もちろん誰ひとりとして、みこの言葉を疑うものはいません。
事情を伝え、膝から崩れ落ちて泣き、助けを請うみこ。
そんなみこをただ抱きしめることしかできないルーナ。
どうしたものかと考えるかなた。
シオンは、いつも通りユメオチ・パワーを浄化してしまえばいいと提案します。
そして何とか隙を作り、『ウィッチグラム初級全力投射(フルキャスト)』に持っていきます……が?
この期に及んでまだ余裕のある伊沢に、違和感を覚えるルーナ。
そして何かを感じ取ったちびみこは、必死に泣き叫んで技を中断させますが、
ペニーワイズ、バザールでござーると共に
爆発に巻き込まれてしまいます。
「ペニーワイズは死んだ
折角後が無いときの必殺技出そうとしたのにコレは悲しいな」
あああああぁぁぁ…
バザールでござーる♪
「ちぇっ、バレちゃったかー」
「どういうことのら!?」
「こういうことさ、フフッ」
何か企てていたことをほのめかす伊沢。
ルーナが問うと、悪役らしく嬉々としてネタばらしを始めます。
その後に、
「さくら神社の神主は、ユメオチ・パワーによって生かされている……それを浄化してしまったら、どうなるだろうねぇ?」
「そう! 君たちご自慢の最終必殺技も、神主にトドメを刺す、やべぇ技にすぎないってことだよ!!」
「本当は、君たちに神主の始末をさせるつもりだったんだ。それは、最高の絶望になるだろうからね」
「でもいいや。好きな方を選べよ。神主を倒すか、神主に倒されるか!」
そしてコラプサーが大きく振りかぶったとき、首からユメオチ・パワーが漏れ出ます。
どうやら不具合が発生した模様。
「あぁ! これからってところで…
…人間にユメオチ・パワーを注ぐのは、そもそも無理があるんだよなぁ」
コラプサーも不調ということもあってか、それを受ける前に逃走する伊沢とコラプサー。
何とか、この場は凌げた……というところでしょうか。
「もういい俺様は帰ってやらあ。
フフ……何度でも何度でも遊びに行くぞ君たちの心がズタズタになるまで。ハハハハハ……」
危機は去りましたが、残されたみこの心の傷は深く……。
みんなで励ましても、ネガティブ思考で塞ぎ込んでしまいます。
「ダメだったら…? 神主さんはどうなるの!?」
「みこち! 信じてやるしかないよ。ホロウィッチは諦めたらそこで終わ……」
「やめてください!」
シオンは元気づけるために言った言葉ですが、そのオリジンを考えると今のみこにとっては抉る言葉。
「ホロウィッチなんて…
…みこ、ホントにもう……戦いたくない!!」
心の折れたみこ。
握りしめたホロウィッチボトルは石のように色をなくし、風化のように崩壊します。
そしてホロウィッチペンも、同様に石化。
晴れる道は「……アイツ…
……やりよって…!!」
To Be Continued…
- MOBI-PAGE -