愛人契約の解消
無償でお金くれる人
愛人契約の解消を申し出たのは、僕の方からだった。
僕の経済力が枯渇してきたことが最大の原因ながら、問題の本質は潮時を感じたからだ。
援交サイトで知り合った彼女とは、なかなかに相性も良くて定期で愛人契約を結んだ。
ただ、回数を繰り返していって、正直に言ってマンネリ感を覚え始めていた。
セックスを終えて僕の横でだらんとしている彼女の裸体が、築地市場の冷凍マグロに見える。半年の間、飽きもせずによくこの女の子を抱いてきたな、と言うのが偽らざる本音。当初は、ベストだと思っていた相性も、逢瀬を重ねるにつれて刺激が無くなっていったことは確かである。
自分の性欲を発するために使った金額もかなりの額だ。風俗通いが常の僕だったが、素人娘を愛人にして思いっきり抱いてみたい願望から、援助交際に手を出した。
こうして、ミニマムだが夢を叶える事は出来たのだ。ただ、願望は夢のままの方がよかったなあ、とこの半年で投資した額を思うと空しくなる。高級ソープに何回行けたことだろう。
幸いにも、今日は契約の最終日に当たる。延長するかどうかの話し合いで、僕は彼女に愛人契約の解消を切り出した。
彼女もそれはわかっていたようだ。彼女からすれば、半年間、望まない男に抱かれる生活からようやく脱出できるのだ。よく我慢してくれたと思う。
彼女は、ベッドの上で姿勢を正すと、三つ指をついて「長い間、ありがとうございました」と丁寧にお礼を言ってくれた。
これからどうするの?と聞くと、また新しいパパを探す、と言う。僕には、彼女の健闘を祈ることしかできない。
最後は、気持ちばかりにお金を上乗せして渡した。
ホテルから出ると、朝日がまぶしかった。僕たちは、握手をして別れた。帰っていく彼女の後姿を見ていると、ちょっとだけ名残惜しさも感じた。
愛人契約を結ぶときはワクワクする。しかし、愛人契約の解消をするときは虚無感を覚える。
どうしても、人の情が湧き出てしまう援助交際よりも、僕にはもっとドライなお金の関係である風俗が合っているようだ。
お金が欲しい
愛人契約の意味
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