カンザキイオリ 白紙 歌詞
1、告白
知らなけりゃいいことがある。
気づかなければ、幸せなのに。
何を今更後悔しても、
うまく変われるわけでもないのに。
君のこと大好きだから
伝えたことは悔やまないけど、
それから君と、しゃべれないまま。
君の顔をうまく見れないまま。
あの時にまた戻れるのなら
今度はちゃんと言わないから。
今更もう忘れてしまいたいから
歩けない僕を笑ってくれよ。
もう一度だけ君と会えたなら
明日、遊ぶ約束をしよう。
ねえ。
生まれ変わってまた君に会えたら
少しは愛されたかな?
これで僕らはお別れなのか、
君の顔をうまく見れないまま。
あの日していた約束さえも、
うまく喋れないままでただ過ぎてく。
また何度でも思い出してしまうから。
君と笑い会えたあの頃をさ。
言わないままでいられるのならば、
今頃明日が楽しみなのに。
いつだって僕の頭には
君の笑顔がこびりついて、
どんなに救われただろう。
これで僕らはお別れなのさ。
僕らあの頃には戻れやしない。
あの日していた約束だって、
うまく喋れないあの日々すらも、
好きだった、全てが。
好きだった、君の全てが。
今更もう忘れてしまえないから
歩けない僕を笑ってくれよ。
もう一度だけ君と会えたなら
もう一度だけちゃんと言わせて。
今更もう全てが通り過ぎて
あの日の続きを嘆いたけど
あの頃は、確かに君の
声も心も優しさも笑顔も
僕のもの。
2、あの夏が飽和する
「昨日人を殺したんだ」
君はそう言っていた。
梅雨時ずぶ濡れのまんま、
部屋の前で泣いていた。
夏が始まったばかりというのに、
君はひどく震えていた。
そんな話で始まる、あの夏の日の記憶だ。
「殺したのは隣の席の、いつも虐めてくるアイツ。
もう嫌になって肩を突き飛ばして、
打ち所が悪かったんだ。
もうここには居られないと思うし、
どっか遠いとこで死んでくるよ。」
そんな君に僕は言った
「それじゃ僕も連れてって」
財布を持って、ナイフを持って、
携帯ゲームもカバンに詰めて、
いらないものは全部、壊していこう。
あの写真も、あの日記も、
今となっちゃもういらないさ。
人殺しとダメ人間の君と僕の旅だ。
そして僕らは逃げ出した。
この狭い狭いこの世界から。
家族もクラスの奴らも何もかも全部捨てて君と二人で。
遠い遠い誰もいない場所で二人で死のうよ。
もうこの世界に価値などないよ。
人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか。
君は何も悪くないよ。君は何も悪くないよ。
結局僕ら誰にも愛されたことなどなかったんだ。
そんな嫌な共通点で僕らは簡単に信じあってきた。
君の手を握った時、微かな震えも既に無くなっていて、
誰にも縛られないで二人、線路の上を歩いた。
金を盗んで、二人で逃げて、
どこにも行ける気がしたんだ。
今更怖いものは僕らにはなかったんだ。
額の汗も、落ちたメガネも、
「今となっちゃどうでもいいさ。
あぶれ者の小さな逃避行の旅だ。」
いつか夢見た優しくて、誰にも好かれる主人公なら、
汚くなった僕たちも見捨てずにちゃんと救ってくれるのかな?
「そんな夢なら捨てたよ、だって現実を見ろよ。
シアワセの四文字なんてなかった、
今までの人生で思い知ったじゃないか。
自分は何も悪くねえと誰もがきっと思ってる。」
あてもなく彷徨う蝉の群れに、
水も無くなり揺れ出す視界に、
迫り狂う鬼たちの怒号に、
バカみたいにはしゃぎあい
ふと君はナイフを取った。
「君が今まで傍にいたからここまでこれたんだ。
だからもういいよ。もういいよ」
「死ぬのは私一人でいいよ」
そして君は首を切った。
まるで何かの映画のワンシーンだ。
白昼夢を見ている気がした。
気づけば僕は捕まって。
君がどこにも見つからなくって。
君だけがどこにもいなくって。
そして時は過ぎていった。
ただ暑い暑い日が過ぎてった。
家族もクラスの奴らもいるのに
なぜか君だけはどこにもいない。
あの夏の日を思い出す。
僕は今も今でも歌ってる。
君をずっと探しているんだ。
君に言いたいことがあるんだ。
九月の終わりにくしゃみして
六月の匂いを繰り返す。
君の笑顔は
君の無邪気さは
頭の中を飽和している。
誰も何も悪くないよ。
君は何も悪くはないから
もういいよ。
投げ出してしまおう。
そう言って欲しかったのだろう?
なあ?
3、空白
わかってない話をしよう
今更のわがままで
汚れたベットの上で
無邪気に泣き出してみよう
五畳半の部屋の隅で
繰り返し探してみよう
何もかも許してくれる
言い訳ってやつを
君のにおいが針になる
皆フライングばっかしてる
真面目に合図を待つ
僕の方がバカみたいで
あなたともう
会えないでしょう
一生もう
会えないことでしょう
言えなかった思いですら
約束も今じゃゴミだ
あなたともう会えないでしょう
一生もう会えないことでしょう
言えなかった思い出すら
約束も今じゃゴミだ
バカみたいに歌って置くよ
「寂しい」なんて知ってくれよ
あの日の無邪気な声も
変わんないまんまでいて欲しいんだ
それじゃもしも
君の笑顔が僕のものになったのなら
それじゃもしも
君の未来が僕のものになったのなら
てよくある後悔を歌おう?
あの頃に閉じこもろう?
君の全てを忘れないように
聞こえてるかい?
君がいなくて寂しいよ
時には涙だって出るよ
苦しい夜もあるよ
通り過ぎた4月の涙が
さびれたガソリンになっていく
春が訪れたら君を思い出すから
思い出の掃き溜めに歌うよ
あの頃必死に生きた
証明がこの痛みだ
よろしく悠久の過去へ
僕の神様は君だ
あなたともう会えないでしょう
一生もう会えないでしょう
だからこそ言いたいこと
今更歌ってやるよ
君がずっと大嫌いだ
笑顔も声も優しさすら
君がずっと好きだったよ
笑顔も声も優しさすら
僕も君みたいに生きたい
僕も前をむいて生きたい
変わっちゃっても笑わないで
君に言いたいことがあるんだ
4、命に嫌われている
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