愛人が欲しいお金を助けます
サエコは服飾の専門学校に通っている学生だった。セックスフレンド募集サイトで知り合ったのだが、そうセックスが好きなような感じでもない、かと言って、見返りに金銭を要求してくるわけでもない不思議な感じの女の子だった。今から思えば、ちょっとメンヘラ系だったように思う。
「ああ、私愛人キャラだから気にしないで」
とサエコは言っていた。ただ、特に反応するわけでもなく黙って僕に抱かれているだけのサエコに僕は何だか彼女を肉便器にしているような申し訳なささえ感じていた。
僕には奥さんがいる。高校時代からの同級生でお互いに成人した後、自然の流れのように結婚をした。子供はいないが、夫婦仲は特に波風もなかった。ただ、どこか物足りなさは感じていた。熱烈な恋愛の末に結婚したわけではない。友達同士が気の許せる相手として同居して共同生活を送っているという印象がどうしても抜けなかった。それ自体に不満はないし、僕も家に帰って奥さんと一緒にいると心が安らぐ。ただ、どこかに肉欲に飢えている自分もいた。高校時代から続いている奥さんとのセックスは、安寧としての役割しかない。もっと激しい情愛を欲していたのだ。それが愛人が欲しいと言う気持ちにつながったのだ。
サエコはいい女だったと思う。奥さん以外の女性を知らないからと言う理由もあるが、彼女との逢瀬は奥さん以外の女性と交渉を持っていると言うスリルにドキドキとさせてくれた。愛人が欲しいと言う僕の気持ちを満たしてくれていたとは思う。だが、セックスに淡白なサエコに対して、愛人とは何だろう?と思うこともしばしばだった。
「男の人に対して本気になれたことがないんだよね。だから私は男性にとっては愛人キャラなの」
好きと言う感情が沸かない中で、肉欲を満たすだけのセックスをする。サエコにとってそれが本懐なのかはわからない。
「本気になったら奥さんがかわいそうだよ」
サエコはそう言って、僕にキスをしてくれた。本気になれたことがないのではなくて、本気にならないようにしているのではないか、と僕はサエコの中で思った。
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