FTMとの出会い
ノンケにセックスを求めるFTMからのメールを開封する度に幻滅
「夏はやっぱりそうめんやねー!」と言うことで、FTMの女の子と兵庫県の山奥まで車を走らせて流しそうめんを食いに出かけたのは昨年の話だ。
彼女とは、いわゆる出会い系サイトで知り合った。FTMなのに男性のカレシがほしいの?と聞くと
「友達100人欲しいんだよ」と笑われた。
FTMにとって恋愛は同性かもしれないが、友達としては異性なのだろう。何だか妙に納得した。
確かに僕にも男性の友達はいるし、カノジョがほしくて出会い系サイトで異性との出会いを求めている。まあ、それなのに、出会い系サイトでFTMとの出会いが果たされるとは思っていなかったが。
出会い系サイトで実際に会える事は滅多にないので、とりあえずFTMでもいいから会ってみよう・・・として、今に至る。そして、会ってみたら、普通に男の子だった。おっぱいはぼよーんとしているし、おケツも丸っこいのだけど、喋っていると、少なくとも年下の後輩の男の子と話しているような、そんな感じのFTMだった。
彼女が流しそうめんを食べたことがない、と言うので、食べに出かけた次第だ。どうせなら、本格的なものを、と思いちょっと張り込んで名店に出向いたのである。
「すげー!そうめんが流れてくる!」と当たり前のことに驚いている彼女が何かかわいらしかった。
その時に感じた女の子らしさが僕を男にしたのだろう。その晩、泊まった温泉宿で僕たちは関係を持った。ごく自然な流れで彼女も特に拒まなかった。
「男性とは、初めてなんだ」と恥じらう彼女がますます魅力的に映った。
だが、それ以降、僕たちは会うことはなかった。友達としての一線を越えてしまい、彼女もまたFTMである自分を貫いた結果、やはり僕とは付き合えなかったのだ。
あれから1年、新しくFTMとの出会いがあったわけでもなく、僕は彼女の面影を実は未だに追っている。
彦星と織姫のように、1年に1度だけ、そうめんと言う川を渡れるのではないか?と妄想して、昨年の店のサイトを確認したところ、今年はコロナウイルスの影響で営業をしていないとのことだった。流しそうめんのように時は変化しながら移ろっていくものだ。
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